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競技歴わずか2年でハンマー投げ全国制覇 地元・観音寺市の声援を受け、更なる飛躍を
- 香川県観音寺市で生まれ育った秋山玲二郎選手(四国学院大学1年)は、陸上競技のハンマー投げを専門に取り組むアスリートです。2022年の全国高校総体(インターハイ)を制し、高校卒業後も地元に残って、鍛錬を続ける日々。香川から全国の舞台へ、更なる飛躍を誓います。
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高校で右ひじをけが、負担が少ないハンマー投げに転向
- 小学校のころから走ることは好きだったという秋山選手。中学で陸上部に入りますが、中学2年のときにけがをしてしまいました。「高校で陸上を続けようとはその時は思ってもいなくて、『楽しくやって終われればいいかな』ぐらいに思っていました」。しかし中学3年になり、顧問の先生に「体格がいいから投擲(とうてき)競技をやってみたらいいのでは」と勧められました。
砲丸投げややり投げをやってみたものの、初めは難しく感じたといいます。ただ、顧問の先生が「素質があるから高校でもぜひ続けてほしい」と言ってくれ、投擲種目で有名な四国学院大学香川西高校に進学することにしました。高校に入学してすぐに右ひじをけがしてしまい、1年の8月からひじへの負担の少ないハンマー投げに転向しました。
「最初はハンマーをまったく扱えませんでした。そもそも前に飛ばないんです」と言うように、当時は技術の習得に苦労しました。コーチを務めるハンマー投げ元日本記録保持者の綾真澄さん、二つ上の先輩である垂井祐志選手らに教わり、徐々に技術を習得していきました。 -
- ▲技術の習得とともに、筋力トレーニングにも励みました
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綾真澄先生からの言葉「腹をくくりなよ」を力に
- 転機は高校1年の冬でした。試合のない期間に投げ込み、ウェートトレーニングにひたすら励みました。1年生の最後の試合では50mだった記録が2年生の4月には60mと10mも伸び、競技に取り組むモチベーションが格段にアップしていきました。
「他の学校より練習もきついし、しっかりと技術を教わることができていると感じたので、『結果は出るだろう』と思っていました。その通りになって、すごく自信がつきました」
しかし、高校2年のインターハイは入賞に届きませんでした。それまで大きな規模の大会に出たことがなかったため、今までにないほど緊張し、雰囲気にのまれてしまったと話します。「そこから自信がなくなってしまいました」。自分を見つめ直して練習を継続し、高校3年のU20日本選手権では2位。8月のインターハイでは見事に優勝を飾りました。 -
- ▲高校3年のインターハイで優勝を飾った秋山選手(左)
- いつも練習を見てくれている綾先生の言葉も力になっています。「全国大会の前には、『今そんなに焦っても結果は同じなんだから、腹をくくりなよ』と声をかけてもらいました。その言葉で自分を信じて投げることができました」と振り返ります。高校卒業後も綾先生の指導を受けながら競技に取り組むため、地元の四国学院大学に進学。尊敬する恩師とともに更なる競技力の向上をめざしています。
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子どもたちには、もっとスポーツに親しんでほしい
- 地元アスリート応援プログラムについては、綾先生の知り合いの方経由で知ったという秋山選手。支援を受けることで、「中途半端な記録では終われない」と身が引き締まり、練習の質、量ともに上がっているといいます。「このプログラムで僕を知ってくれる人もいると思うのですが、さらに応援、支援していただいたらモチベーションも上がるし、感謝の気持ちが高まります」
観音寺市は自然豊かな場所ですが、ずっと暮らしている秋山選手は「子どもがスポーツをできる広場のような場所が少ない」と感じています。「もっと自分が活躍して、競技のことを知ってもらいたいですし、小さい頃からスポーツに親しむ取り組みをもっと増やしていけたらいいなと思っています」。秋山選手が小学生のときは陸上、水泳、野球、サッカーなどさまざまなスポーツに触れ合える取り組みに参加し、陸上の魅力を知りました。そのような経緯もあり、まずはスポーツに触れてもらいたいという思いを強く持っています。 -
- ▲大好きな地元・香川県観音寺市で結果を残し、競技の普及に努めます
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大学4年間で全国制覇を
- 23年はまず日本インカレのA標準記録である63m以上を出すことが目標です。高校男子用の重さ6kgのハンマーでは66m64を投げている秋山選手ですが、シニア用の7.26kgでの記録はまだ57m59。「更なる筋力アップも必要ですが、技術をもっと磨いていきたいと思います。そうしたらおのずと自己ベストも更新できると思います」
まずは大学4年間で日本インカレや日本学生個人選手権での1位をめざし「世界大会を目標にするのはその次かなと思っています」。地に足の着いた考えを持っているのも秋山選手の魅力です。
支援金の使い道は、場数を踏んで雰囲気に慣れるという意味で、さまざまな大会に出場するための遠征費や、3〜4カ月でだめになってしまう専用のシューズなど、競技に必要な用具に充てたいと考えています。また、自分が出場する全国大会にいつも支えてくれる両親を呼べたらとも考えています。「高校の時は送り迎えもしてもらっていましたし、いつもおいしいご飯を作ってもらっていました。この体があるのは両親のおかげだと思うので、もっと恩返ししていきたいと思っています」。支援や応援をモチベーションに変え、競技に向き合う秋山選手の今後に注目です。
(取材・制作:4years.) - ================
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