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負けず嫌いな性格を強みに 子どもの頃に憧れたプロゴルファーの姿へ、自分を近づける
- 萩生田みらん選手(共立女子第二高校2年)は現在、同世代と競う日本ジュニアゴルフ選手権や日本女子アマチュア選手権でのタイトル獲得をめざして練習に励んでいます。中学生の頃は日本ジュニアの女子12歳~14歳の部で日本一に輝いており、将来が期待されます。
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ものごころがつく前からおもちゃのゴルフクラブを握る
- まだ高校生ですが、ゴルフ歴はすでに10年を超えています。自身も愛好家だった父親の影響で、ものごころがつく前からおもちゃのクラブを握っていました。幼心にもゴルフがしっかりと刻み込まれたのは、5歳で観戦したトーナメントでのことでした。
「その大会でプレーするプロの方々がかっこよくて、私も将来こういう舞台で戦いたいと思いました。当時の憧れは上田桃子プロで、もちろんすごい球を打っているのですが、ちょっと弾道が曲がってしまったり、グリーンオンを逃してしまったりした時にも、自分のゴルフをやり通す姿勢に憧れました」
自身の性格を、負けず嫌いと分析します。中学生で日本一になったものの、それまでは何度も負けを味わいました。ゴルフにのめり込んでいったのも、小学校低学年の頃の悔しい思いがきっかけとなりました。
「小さな試合に出たところ、1ホールで10打以上打つとギブアップするというルールがありました。私はほとんどのホールでボールを拾い上げることになり、とても悔しくて……。一緒に回っている子や先輩はうまくプレーしていたので、『私も勝ちたい』と、のめり込んでいきました」 -
- ▲ものごころがつく前からゴルフに親しみ、5歳のときには庭で練習していました
- 人一倍、悔しい思いを味わいましたが、ゴルフが嫌になることはなかったそうです。小学4年生になり、一緒にラウンドした選手から「すごく厳しいゴルフスクールがある」と聞いて、千葉県へと見学に行きました。神奈川県川崎市の自宅を早朝5時に出て、朝7時から12時間、みっちりと練習。週末の2日間通うようになり、送迎する両親には負担をかけたといいますが、飛距離が伸び、競技力の向上を実感しました。
何よりうれしかったのが、「自分のゴルフができるようになったこと」だったと言います。萩生田選手がめざすのは、ギャンブル的な一打で勝負するのではなく、狙った通りのプレーでパーを重ね、その上でバーディーなどを出してスコアを伸ばすゴルフです。 -
思い通りにいかないとき、助けてくれた勝みなみプロの一言
- 小学校6年生になると、全国大会で2位になることができました。その後も成長を実感していましたが、2020年に新型コロナウイルスの影響で試合の中止が相次ぐと、苦しい時期が続いたといいます。
「練習量も増やしていたから結果を出したいけど、試合がない。そういう状況に耐える時間が続きました。予選があったのに本選がなくなることもあり、モチベーションを失いそうでした。試合から課題を見つけることもできず、どのような練習をすればいいのかも分からなくなりそうでした」 -
- ▲12歳のころ、地元のJ1川崎フロンターレの応援に行きました
- 小さい頃から、地元ではゴルフ少女として知られていました。庭に張ってもらったネットに向かってボールを打っていると、「将来はプロになるの?」などと声をかけられていました。今回このプログラムに参加したのも、そうした地元の応援に応えたいからでした。
「成績があまり伸びない時にも、家族はずっと支えてくれたし、近所の方や神奈川県のゴルフ関係者の方々が応援してくれたので、毎日あきらめないで頑張れたと思います。家の近くの練習場の皆さんにも名前を覚えてもらって、声をかけてもらいました。今度は私が結果を出して、地元のことをより知ってもらい、感謝の気持ちを伝えたいと思っています」
こうした背景もあり日本ジュニア優勝の喜びは格別でしたが、反動もありました。試合間隔が空いたこともあり、「優勝してから一時期、思い通りのゴルフができなくなってしまいました。『次は結果を出さないと』というプレッシャーの悪循環でうまくいかない時期があって、どういうスイングをすればいいのか、すべてがわからなくなった時期がありました」と、悩みを抱えていました。 -
- ▲神奈川のアマチュアゴルフ選手権優勝を伝える地元紙と一緒に
- そんな時に助けてくれたのは、世界で活躍する先輩の一言でした。日本ジュニア優勝者のために設けられた勝みなみプロとの対談で、心に染みたのが「ゴルフを楽しむ」という言葉だったそうです。「私ももっとゴルフを楽しまないといけないな、と思いました。その言葉が、その後の自分の成長につながったなと思います」と、視界が開けました。
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ゴルフの魅力は「私を成長させてくれることです」
- 特にここ数年、試合に出場する重要性を痛感してきました。公式戦以外ではなかなか参戦できない遠隔地での試合にも、このプログラムでの支援があれば参戦できます。「ご支援いただければ、これまでちゅうちょしていた試合や大会へと遠征することができます。そういう自分の成長につながることができればと考えています」と、成長の道筋を描いています。
遠征から帰ってくると、地元ののどかな風景が心を癒やしてくれるそうです。プログラムに参加したのも、祖母が明治安田生命に長く勤めていたことが関係しています。これからも、人との縁が力に変わっていきそうです。 -
- ▲子どもの頃に憧れたプロの姿へ、萩生田選手の挑戦は続きます
- 今も自宅の庭や近所で、練習を続けます。その視界には、はっきりとした目標がとらえられています。
「ゴルフの魅力は、私を成長させてくれることです。うまくいかない時や、理想の球が打てないこともありますが、試合で何度も繰り返して思った通りに打てた時には『もっと頑張ろう』という気持ちにさせてくれます。もっと自分の理想のゴルフに近づけていきたいんです」
子どもの頃に憧れたプロの姿に、自分を近づけていく挑戦が続きます。
(取材・制作:4years.) - ================
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