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自分に磨きをかけて世界の舞台へ 大好きな愛知県東郷町のみんなと躍進したい
- 明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム2022」に参加以降、地元でも、「記事を見たよ」「がんばっているね」と声をかけてもらうことが多くなり、いかにたくさんの人に応援してもらっているかを知ったという、スポーツクライミングの石井未来選手。期待に応えて結果を出すだけでなく、大好きな地元にもっと貢献していきたいと話す彼女に、今後の展望を伺います。
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魅力は登った時の達成感と、毎回違う課題への挑戦
- 小さな頃から体を動かすことが好きだったという22歳の石井未来選手がスポーツクライミングに出合ったのは、母親がきっかけでした。「最初にスポーツクライミング興味を持ったのは母でした。家から車で15分くらいのところにジムがあることを教えてくれて、私だけでなく、父も兄も一緒に行ってみたんです」。そこですぐにスポーツクライミングに魅了された石井選手はジムに足しげく通うようになりました。
「登った時の達成感と、毎回違う課題に挑めることに魅力を感じたんです。とは言え、もちろん最初のうちはできないことだらけでした」。それでも熱心に通い続ける石井選手に、「せっかくなら大会に出てみたら?」と勧めてくれたのはジムで出会った仲間。その後、山岳連盟の方に競技としてクライミングに取り組んでいる子どもたちが通っている場所の存在を教わり、高校入学と同時に通い始めました。自分よりはるかに年下の子どもたちがするすると高い壁を登る姿に啞然(あぜん)。高校1年生で初めて国体の選考会に出場した際にも、「全く結果を出すことができませんでした」と振り返ります。 -
- ▲高校1年生の時に競技としてクライミングを始め、その年の国体選考会で力のなさを痛感しました
- しかしそれでも、「やめたい」と思うことはありませんでした。スポーツクライミングが心底好きで、「楽しい」という気持ちを持ち続けていたからこそ、めきめきと上達。徐々に大会でも上位に入賞し始め、2021年のボルダリングジャパンカップではついに決勝の舞台に立ちました。
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地元の人たちの「応援しているよ」の声に励まされ
- 国内トップクラスにたどり着くまでの間、石井選手は何度もスランプを経験しています。特に高校2年生で肩をけがして以降は思うような結果が出せなくなり、「なんでけがなんかしたんだろう」「けがの後遺症がなければもっといい結果を残せたのに」と、落ち込む日が続きました。しかも、治りかけた矢先に再度負傷することもあり、状態が落ち着いてからも精神状態は不安定だったと振り返ります。
そんな時、石井選手にとって励みとなったのが、両親や、指導やコンディショニングで関わってくれている人たちの存在でした。「必ず立ち直ると信じてサポートし続けてくれたことが本当にありがたかったですね」と笑顔で明かします。 -
- ▲長い手足を生かし、国内トップクラスの選手に成長しました (朝日新聞社撮影)
- 両親やジムの仲間たちだけでなく、地元である愛知県東郷町の人たちの温かさを感じることもたくさんあります。「自然豊かな地域なので自宅前でトレーニングすることもあるんですけど、そうすると通りかかった人が『応援しているよ』など声をかけてくれるんです」
また、20年に新型コロナウイルス感染症の影響でジムが一時閉鎖となり、屋外でランニングや縄跳びなどをしてトレーニングを継続した際、改めて東郷町の自然を感じました。「東郷町は自然が豊かで、四季折々の表情を見せてくれます。そんな東郷町が大好きです」と石井選手。大会の前や後に必ず訪れるという春日神社をはじめ、お気に入りのスポットもたくさんあります。40年前からイチジクを栽培している「石川農園」もそのひとつ。シーズンになると直売所に足しげく通い、新鮮な果実を堪能しています。 -
次世代のクライミング界を担う子どもたちのためにも支援金を使いたい
- 石井選手の「地元アスリート応援プログラム」の参加は2年目となりますが、この1年で、当初の参加動機であった「自分が活躍することで大好きな街の魅力を知ってもらいたい」を叶(かな)えるために、自分に何ができるのかを考える機会が増えたといいます。「私ががんばっている姿を見て、クライミングに興味を持ってくれる人が増えたらうれしいのはもちろん、クライミングじゃなくても、一人ひとりが興味を持つことをもっと楽しむきっかけになれたらうれしいなと思うんです」。
たとえば、一緒に運動することで身体を動かす楽しさを知ってもらいたいといいますが、そのきっかけとなったのが、22年に愛知県東海市で開催された、明治安田生命主催のウォーキングイベントです。「イベント開始前に、参加者にストレッチを教える機会をいただいたのですが、みなさんがいきいきと身体を動かしている姿を目の当たりにして、自分が役に立てたことがうれしかったし、私自身もみなさんから元気をもらえました」。
また、大好きなクライミングシーンを盛り上げることも、生涯をかけて続けていきたい目標だといいます。そのために、今回の支援金を次世代の子どもたちのために活用することも視野に入れているという石井選手。「たとえば子どもたちのために大会を主催するだとか、できることはたくさんあると思っています」と力強く語ってくれます。また、幅広い年齢の人にクライミングの魅力を知ってもらいたいと、「靴やウェアのレンタルがあるジムなら、初心者でも手ぶらで来館して気軽に楽しむことができますよ」と教えてくれます。 -
- ▲23年度は日本代表の座を奪還して、東郷町にさらに貢献していきたいと意気込みます(朝日新聞社撮影)
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ボルダーリングとリード、両種目で日本代表に
- もちろん、より多くの人にクライミングの楽しさを知ってもらうために、自分自身がさらに活躍の幅を広げていくことも大きな目標。「23年度は、ボルダーリング、リードの両方の種目で日本代表の座を逃してしまいましたが、大会に参加したことで自分の伸びしろを確信できたので、来年の選考会では必ず代表の座を取り返したいです」。そのために、一つひとつの大会で目標を決めて、確実に達成していきますと誓う石井選手。「結果が出せなかったときも気持ちを切り替えて、次の目標に向かって粘り強く練習していけるのが私の強みです。ここからさらに精神面にも技術面にも磨きをかけて、東郷町のみんなと一緒に躍進していきたいと思っています」
(取材・制作:4years.) - ================
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