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中学1年でいきなり全国制覇! 短距離のニューヒロイン、長く活躍できる選手に
- 高知県南国市で生まれ育った岡林結衣選手(高知市立大津中2年)は、陸上競技・短距離に取り組むアスリートです。小学校6年生のときに100mの小学生記録を樹立し、中1では全日本中学校陸上競技選手権大会200mで25秒13をマークして優勝。大きな可能性を秘めたスプリンターです。
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小学5年生のとき12秒77で全国ランキング1位に
- 3人きょうだいの岡林選手は、五つ上の兄、二つ上の姉が陸上をしていたこともあり、幼い頃から走ることに興味を持っていました。幼稚園の頃からすでに運動会のかけっこでは1番。小学生になって地域のスポーツクラブ「まほろばクラブ南国」に入ってからも、タイムが出るとみんなから「すごいね!」と言ってもらえるのが楽しくて、どんどん走ることにのめりこんでいきました。
小学5年生のときに100mで12秒77を出し、全国ランキング1位になった岡林選手。6年生の9月には全国小学生陸上競技交流大会100mで小学生女子歴代最高の12秒56をマークしました。「小5でいいタイムを出したあとは伸び悩んでいたので、(まさかそこで記録が)出るとは思っていませんでした」と振り返ります。
中学に入ってからは100m、200mに加え、走幅跳と三段跳にも取り組んでいます。跳躍に取り組むことで短距離走のストライド(歩幅)が大きくなると感じています。中1での全国制覇は、「思ってもみなかった」と話す岡林選手。200mの方がB決勝に残れて、走れる回数が増えるだろう……と思っていたところ、決勝に残り、自己ベストを大幅に更新しての優勝。持ちタイムも下から数えるほうが早いぐらいだったため、まさに無欲の勝利でした。 -
- ▲中学1年生で早くも200m全国1位になりました
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暖かく、空がきれいな地元からの応援をパワーに
- 地元アスリート応援プログラムの存在は、同じく短距離で活躍する兒玉芽生選手、青山華依(はなえ)選手などが支援を受けているのをTwitterで見て知っていました。しかし高知県にはレスリングや飛込競技でも強い選手が多数いるため、まさか自分が選ばれるとは思っていなかったといいます。きっかけは、小学校の時に所属していたまほろばクラブ南国の代表から連絡をもらったことでした。「強い選手がたくさんいる中で声をかけていただいたのは、とても光栄だしうれしいです」
応募の理由は、地域の人に応援してもらうという趣旨に共感したからです。高知県南国市は、暖かく、静かで食べ物もおいしく、空がきれいな場所。自分が活躍することで、小学校時代の友達や、地域のおじさん、おばさんが声をかけてくれることが増えました。「地域の人にさらに知ってもらいたいなとも思いますし、自分の活躍でみんなが笑顔になったらいいなと思います」と岡林選手は話します。
南国市は、お米も野菜もすべてがおいしいと話す岡林選手。「農園けんぴ」のトウモロコシや、「西島園芸団地」のイチゴなどたくさん好きなものはありますが、特にお気に入りなのは、家の近所の中華料理屋さんの唐揚げです。大きい大会のあとは必ず行くというほどで、岡林選手のパワーフード的な存在になっています。 -
- ▲近所にある中華料理屋さんの唐揚げがお気に入りです
- 2023年5月14日には、まほろばクラブ南国の練習拠点であった競技場で大会があり、スポーツクラブの後輩たちをはじめ、地域の人たちがたくさん応援に来てくれました。「後輩たちにいいところを見せたいと思って緊張しましたけど、エネルギーにもなりました」とはにかむ岡林選手。100mで12秒07の自己ベストをマークし、会場を沸かせました。
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兒玉芽生選手に「カーブを曲がるコツ聞きたい」
- 順調に記録を伸ばしてきている岡林選手ですが、2022年の秋シーズンは跳躍の着地に失敗して腰痛になってしまいました。お風呂上がりに母親や父親がマッサージをしてくれたり、整体に行ったりと、メンテナンスには時間をかけるようにしています。「お兄ちゃんやお姉ちゃんもずっと陸上をやっているので、家族みんなに支えられているなと感じます」という岡林選手。陸上部にいる2人の同級生は、しんどい時にも変わらずふざけて笑わせてくれ、大きな心の支えとなっています。
23年はまず、全国大会に100mまたは200mのどちらかで出場し、決勝に残ることが目標です。「連覇というよりは、決勝に残って強い人と走りたい!」という岡林選手。全国の舞台では緊張せず、楽しさやワクワクのほうが勝ります。
今後は高校や大学、社会人と長く活躍できる選手になりたいと思っています。「日本選手権に出て、トップの選手と走ってみたいです」。あこがれの選手は兒玉芽生選手。強いところはもちろん、人柄や陸上に対する姿勢を尊敬しています。「いつか兒玉さんにお会いできたらいいなあと思います。200mでカーブをうまく曲がれるコツを聞いてみたいです」 -
- ▲ハードルを使った練習に励む岡林結衣選手
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自分の走りでみんなを笑顔に
- いまは、スタートで出遅れることが課題だという岡林選手。姉とともに評判のコンディショニングトレーナーさんに見てもらったところ、「スタートの足を逆にしてみたらどうか」というアドバイスをもらいました。それを大会で実行したところ、自己ベスト更新。今後も体と向き合い、競技力を上げていきたいと話します。支援金の使い道は、こういったトレーナーさんや整体など体のメンテナンスや、陸上用のスパイク購入費用に充てたいと考えています。
すでに地元では後輩たちからあこがれられる存在になっているのでは? とたずねられると、「まだまだです」という岡林選手。「この活動を通して、たくさんの人を笑顔にしていきたいです。結果で示すしかないので、少しでも活躍して応援してくれる方に恩返しできればいいなと思っています」。応援を力に変えて、さらに進化していく岡林選手の今後が楽しみです。
(取材・制作:4years.) - ================
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みかん