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世界の舞台をめざす高校生ゴルファー 大好きな地元に、活躍で応えたい
- 安西選手は16歳にしてゴルフ歴10年の高校生ゴルファーです。小学生の頃から鍛えた得意なドライバーは平均飛距離250ヤードほどで、プロ・アマ問わず女性のゴルファーのなかでもトップクラス。目標のプロテストを受けられる年齢も来年に迫り、練習や試合にもより熱が入っています。「小さい頃からの目標のプロになって、大好きな土浦市に少しでも貢献したい」という思いを胸に、日々努力を重ねています。
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小学生でプロゴルファーが目標に
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- 安西選手は茨城県土浦市にある土浦日本大学高校の通信制課程で学ぶ高校2年生です。ゴルフと出合ったのは小学校1年生のとき。祖父について訪れたゴルフ練習場で、遊びでゴルフクラブを握ったのがきっかけです。「はじめからボールが当たって飛んだのがすごく楽しくて。すぐに夢中になりました」と振り返ります。
そこから毎日のようにゴルフクラブを握り続け練習してきた安西選手は、小学校4年生になるとコーチのもとで本格的なレッスンを受け始め、才能が開花します。以来、多くの大会で上位入賞を果たした安西選手は、この頃から「プロゴルファーをめざして精いっぱい頑張ろう」と将来の目標が明確になりました。
成績の一端を紹介すると、中学3年生で「TOMAS CUP 第38回全日本サンスポ女子アマゴルフ選手権」2位。高校1年生で「関東ジュニアゴルフ選手権」3位タイ、また「PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会東日本決勝大会」優勝により日本代表として世界を舞台にプレー。また「エリエールレディスオープンアマチュア選手権2022 関東大会」でも優勝を飾り、プロも出場する「大王製紙エリエールレディスオープン」本戦にも出場しました。まさに、女子ゴルフ界のホープとして期待される高校生です。 -
- ▲プロゴルファーになるために毎日の練習を大切にする
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地元の方に少しでも喜んでいただきたい
- ただ、ゴルフはプロになるためにも多額の費用がかかる競技です。安西選手が明治安田生命「地元アスリート応援プログラム」のことを知ったとき、「プログラムに参加してご支援いただけたら、練習の環境や質もあがってプロへ近づくことができるし、両親の負担も減らせるはず」と考えて応募したそうです。
ゴルフ用具代、試合で全国をまわる遠征費、大会出場のエントリー費、そしてプロテストに合格するまでの費用――。さらに安西選手は三姉妹の次女で、姉と妹も同じくプロをめざすゴルファーです。「三姉妹でゴルフをしているので通常の3倍のお金を両親が負担してくれています。だから、少しでも親の負担を減らしたいという思いも強いです」と安西選手は話します。両親は練習の送迎や試合への同行などを含め、金銭面だけでなく全面的に支えてくれています。
そして、安西選手がこのプログラムに惹かれたのが、何よりもより地元とのつながりを築けるプログラムということでした。「プロになって、自分を支えてくれている土浦に恩返しがしたい」という地元愛を強く持っています。土浦市にある練習場でも学校でも、「頑張ってね」「応援してるよ」と声をかけられることがプロをめざす力になり「もっと頑張ろうと思えるんです」とうれしそうに話します。
そのために「もっと強くなるためにゴルフに特化したトレーニングを受けたい」と安西選手は考えています。現状の課題のひとつとして「スイングに必要な筋肉をもっと専門的なトレーニングでつけることができれば、パフォーマンスも高まると考えています」と話します。 -
地元産のレンコンを使った料理が体力の源
- 学び場である土浦日本大学高校がありゴルフ練習の拠点でもある土浦市は、レンコンの一大産地。安西選手も地元産レンコンが大好きです。土浦のレンコンは肉厚で、シャキシャキとした食感が特徴だと言われています。安西選手も母親の手料理のなかでもとくに好きなのがレンコン料理です。
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- ▲自宅にて土浦産のレンコンをもつ安西選手。土浦産のレンコンを使った料理が大好き
「レンコンのはさみ揚げやハンバーグ、きんぴらも食卓によく並びます。家族が多いので、母はいつも料理を作るのが大変ですが、本当に感謝しています。母の手料理はパワーの源です」
練習の行き帰りに寄るレストランでお気に入りのお店もあります。日頃の練習は自宅から車で10分ほどのところにある「ゴルフパートナー 桜土浦インター練習場店」で行なっていますが、「魚を食べたいときは『まる信 食堂』に行きます。サーモン定食がとくにお気に入りです。お肉を食べたいときは『ステーキ千』へ。ここには家族で夕飯を食べに行くこともあります。ガーリックチキンが大好きです」と無邪気な表情で話す姿は、ゴルフのことを話すときとまた違い、地元が大好きな16歳の姿です。 -
初のプロツアーで1打の重さを知る
- 普段の練習は約3時間。「どれだけ練習をしても成績につながらないときもあります。良い結果が出るか不安で、怖さを感じながら試合に出ることもあります」と安西選手は話します。ゴルフは自分と向き合う個人競技であり、メンタル面が結果を大きく左右するところもあります。ミスで心が揺れてしまうこともよくあるそうです。そこで、より強くなるために、コーチにアドバイスしてもらいながらメンタル面も改善に取り組んでいます。
「メンタル面で思うようなショットが打てないときは、気持ちを切り替えるために甘いものを口にするなど、だんだんと自分なりの平常心の保ち方がわかりプレーできるようになってきています」と日々、いろいろな方法を自分なりに考えて実践しながら、プロをめざしています。
2022年に予選会で優勝を飾り出場した「大王製紙エリエールレディスオープン」では1打の重さも痛感しました。この大会ではあと1打足りず、苦汁をなめました。ただ、この経験もプロになるための一歩。「本当に悔しかったです」と話しますが、プロの厳しさを知る機会にもなりました。 -
来年挑むプロテストで一発合格をしたい
- 安西選手の現在のベストスコアは67。これを2打縮めて65とするのが当面の目標です。そして大きな目標が、18歳になる来年度から受けることができるプロテストに合格することです。ゴルフのプロテストは1次、2次、最終プロテストと3段階のテストを通過しなければなりません。例年、合格率は3~5%ほどの難関です。安西選手は「合格するためにも、技術的な課題であるアプローチとパターに磨きをかけたいと思っています。そのためにももっといろいろなトレーニングを積みたいです」と、言葉に力を込めます。
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- ▲世界で通用するプロゴルファーになるために日々ゴルフクラブを握る
16歳の安西選手はプロテストの先にももっと大きな夢を持っています。「国内で賞金女王になって、海外に進出して、世界で通用するプロゴルファーになりたいです」と、目を輝かせます。世界ジュニアゴルフ選手権が開催されたアメリカのサンディエゴでプレーしたことで、その思いがより強まりました。 -
温かい応援の言葉が励みになっている
- 安西選手は、世界で活躍するプロゴルファーになれたら、その根幹にあるのは支えてくれている地元だと思っています。何よりも「土浦市は本当に人が優しくて大好きなんです」と笑顔で話します。「『試合の結果を見たよ』とか『テレビに映るのを楽しみにしているよ』とか声をかけてもらうのがうれしいです。応援してもらっているんだと、その一言一言がとても励みになっています」
今回のプログラムで集まった支援金は、プロになるために、そして将来世界で戦うためにいま必要なゴルフ専門のトレーニング費用、多くの試合のエントリー費や遠征費に充てたいと思っています。応援してくれる地元の人たちの思いに応えて土浦を盛り上げたい――。安西選手は地元の応援を自分の力に変え、飽くなき情熱を持ってゴルフに取り組み、世界の舞台をめざします。
(取材・制作:4years.)