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けがを乗り越えさらに成長! 1年遅れの目標達成をめざす
- 2022年3月、高校生も参加する全日本ジュニア選手権で中学生ながら5位入賞。その後も大技を完成させるなど着実に進化を続け、1年後の同大会でさらなる高みをめざすはずが、直前にけがを負い悔しい思いも。しかし、けがでさらに強くなった園田恵吾選手は1年越しの目標に再び挑みます。
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目標達成直前のアクシデントを乗り越えて
- 園田選手の2022シーズンは調子が良くて、BEAUTY SKIN CLINIC CUP 2022では第1戦優勝、第2戦 準優勝し、SAJ公式戦で初優勝を果たしました。
その年の全日本ジュニア選手権でも、高校生までの日本のトップ選手が集まるなか、5位入賞をした。「全日本ジュニア選手権で上の方に行けたのは自信になりました」 と、園田選手は振り返りました。
この全日本ジュニア選手権5位の成績で、日本代表Snow Japanの拠点強化指定選手にも選ばれました。
迎えた新シーズン、新技のダブルコーク1080とフロントサイド1260を大会で成功させ、23年2月に行なわれた札幌ジュニア大会で3位(前年6位) 、北海道スキー選手権6 (前年7位) など、順調に結果を残していました。
そして、全日本ジュニア選手権を目前に控えるなか出場したジャパンカップで、まさかのアクシデントがありました。
「公開練習中に転倒して怪我をしてしまい、足首靱帯挫傷。その大会はもちろん出られなくて。でも翌週に控えた全日本ジュニアには出て、本当にナショナルチーム入りの目標を立てていたので、結果を残さなければならず、大会前日に少しだけ滑って、痛み止めを飲んでテーピングをぐるぐる巻きにして出場したのですが、やっぱり駄目でした」と悔しさを話してくれました。
結果は、全日本ジュニア選手権15位、全日本選手権19位。しかし、けがで練習ができない期間、普段できないバランスと体幹の強化を交えたトレーニングやリハビリに専念。初めて大会に出られないという悔しい思いもした園田選手は「去年以上(の順位)にいきたい。やっていけると思う」と新たな決意を抱いています。 -
両親の影響で始めたスノーボード、小学6年でプロ資格も取得
- 園田選手がスノーボードを始めたのは両親の影響です。幼稚園児の時から両親の手ほどきを受け、スノーボードの楽しさを知りました。小学4年生からはハーフパイプの大会に出場し、なんと小学6年生でプロ資格を取得しました。
スノーボードハーフパイプは、半円筒状の斜面を往復しながら、空中での高さやアクロバティックな技を競う競技です。恐怖心も伴いますが、園田選手は「自分が世界の舞台で活躍することで、地元のスノーボード人気をもっと盛り上げたい」と考えています。 -
- ▲けがは付き物のスノーボードだが、今回ほど大きなけがは園田選手にとって初めてでした
園田選手は、中学時代にスノーボードと学業を両立していたことを評価され、22年に地元群馬県桐生市の樹徳高校の進学クラスに入学しました。学校にはスノーボード部はありませんが、スノーボーダーとしての活動を応援してくれています。中学時代同様に勉学もおろそかにしないつもりですが、ハーフパイプで世界をめざすには、北海道、青森県、岐阜県、新潟県など限られたエリアにしかない国際基準のハーフパイプコースで練習する必要があります。また、オフシーズンは毎週末山梨の屋内ハーフパイプ練習施設に通うほか、国際大会出場のための海外遠征もあり、多額の費用負担があるのが実情です。こうした中、明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」を知り、地元のアスリートを応援しようとする制度趣旨に賛同しました。
「明治安田生命さんとは、いつも地元の無農薬米を買っている八百屋さんとのご縁でつながりました。支援を受けることで、これまで以上に練習に集中して良い結果を出し、『食』で支えてくれている地元の方も元気にできればと思い、応募を決めました」
今回の取材に同席した母親の奈緒さんは、「進学クラスでの勉強もついていけているようなので、そこは努力なのかなと思います。学校の先生も日々サポートしてくださり、出席できないときは課題などで補っていただいたり、冬の休んでいる間には激励メールをいただいたり。『学校全体で応援しています』と仰ってくださって、本当にそれは恵吾の原動力になっていると思います」と園田選手の学校環境を教えてくださいました。
園田選手も「やはり勉強は心配でした。でも、頑張っています。素敵な学校に出合えたと思います」と充実した学生生活を語ってくれました。 -
生まれ育った桐生市の多くの人に恩返し
- 園田選手が生まれ育った群馬県桐生市は織物が有名です。ただ、園田選手にとっての桐生は「水が綺麗なところ」とのこと。子どもの頃によく川遊びをしていた渡良瀬川や桐生川の上流は、ヤマメやイワナが生息しているほど水が澄んでいるそうです。「野菜やうどんがおいしいのも水が綺麗だからだと思います」と言います。
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- ▲10センチにも及ぶ幅広な麺が特徴のうどん、桐生市名物「ひもかわ」と、「ソースカツ丼」は園田選手の好物(桐生市の「しみずや」にて)
中学時代は友達にも恵まれ、大会シーズンである3学期の2月末以降は大会や練習で学校を休むこともありましたが、ノートを見せてくれるなどサポートをしてくれたそうです。スノーボード競技者であることに理解を示して助けてくれた中学時代の友達は、園田選手の宝物です。 -
めざす国際大会では集大成の演技を、他の大会は結果にこだわる
- 23年の全日本ジュニア選手権、そして全日本選手権で結果を残し、ナショナルチームに入ることが目標だった園田選手。
「明治安田生命さんのプロジェクトに参加も決まっていたので、本当は、今年(22/23年シーズン)はジュニアの世界大会に出て、次のステップとして世界で活躍している姿をお見せしたいと思っていました。1年遅れたけども新シーズンで実現したいです」
そして、その先の目標である30年の世界最高峰の冬季国際大会についても語ってくれました。
「自分のベストを出したい。優勝より、出場して、見ている方々を感動させられるような、今まで積み上げてきた集大成の演技ができたらいいなと思います。そのために他の大会では結果にこだわりたい」と園田選手。 -
クラウドファンディングによる応援に感謝、皆さんの応援が原動力に
- 22年、明治安田生命「地元アスリート応援プログラム」に初めて参加した園田選手にはうれしい反響が多くありました。
「夏に地元で練習中に初めて会った方から 『YouTubeに載ってたね』と声をかけてもらってとてもうれしかった。 高校の友達も新聞やテレビ、 YouTubeを見てくれて、それで僕を知ってくれたり、興味を持って応援してくれています。また、クラウドファンディングで支援していただ いた皆さんからのメッセージがとても力になりました。特に小・中学校で一緒だった友達が、『クランドファンディングしてみたよ! 頑張って!』 と応援してくれたことは一番印象に残っています。 本当にうれしくて、頑張ろうって思いました」
メディアでの注目も高まり、地元からの応援も増えています。多くの人からの応援は「最後まで頑張ろうという、原動力になります」という園田選手。1年越しの目標達成で、さらに地元を元気にしてくれるでしょう。
(取材・制作:4years.) - ================
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